岩手県八幡平市

地熱発電発祥の地

八幡平市は、日本初の商用地熱発電所である松川地熱発電所が立地しています。更に、2019年1月には、出力7,499キロワットの松尾八幡平地熱発電所の運転が開始し、新たに安比地熱発電所も建設に着手するなど、地熱資源の豊富な地域です。

1971年に松川地熱発電所の蒸気を活用した温泉がホテルに供給されたことを契機として、この地域の発展の基礎となる八幡平温泉郷の形成につながりました。現在では、八幡平温泉郷の約700軒のホテル、旅館、別荘、病院、介護施設などに給湯されています。また、松川地熱発電所の地熱蒸気を活用した地熱染めは、世界でも類をみない技法であり、貴重な染物です。

新着情報

八幡平市と地熱発電

地熱エネルギー活用策を地域で考える

地熱資源が豊富なこの地では、1966年に日本初の商用地熱発電所である松川地熱発電所が運転を開始。半世紀以上経た今も稼働を続けています。2019年1月には、松尾八幡平地熱発電所が運転を開始、さらに安比地熱発電所をひかえている等、地熱発電に古くより力を入れています。発電所の蒸気による施設への温水供給のみならず、多岐にわたる地熱エネルギーの活用が行われています。
八幡平市へのIターン者が温泉からの熱エネルギーを利用し、馬ふんを発酵させ、堆肥を生産する起業にも成功しました。馬ふんは、地熱エネルギーを利用して堆肥化し、マッシュルームの菌床に活用しています。更に、マッシュルームの収穫を終えた菌床も牧草の肥料に用いることで、持続可能な循環型ビジネスモデルを形成しています。
さらに高齢化や施設老朽化で未活用となっていた熱水利用ハウスをIoT次世代施設園芸ハウスに転換拡大し、バジルやイチゴの栽培を通じて持続かつ発展的に農業経営ができる人材を呼び込み、地元の雇用拡大につなげる新たな農業への取り組みを開始しました。
地熱を地域のまちづくりに活かすため、市が2016年度に策定した「八幡平市地熱を活かしたまちづくりビジョン」に基づき、地熱資源活用に主体的に関わる市民や事業者とともに、地熱エネルギーの活用策を具体的に展開することで、市民及び地域を担う子供たちの地熱発電への理解促進を図っています。

松尾八幡平地熱発電所

地熱を活用した特産品

松川温泉の地熱蒸気を利用した、世界でも類を見ない技法の「地熱染め」も八幡平市の特産品として注目されています。
地熱蒸気を染色に利用する試みは、合併前の旧松尾村の頃から行われたものの、既存の染色技法ではなかなか商品化までたどり着けませんでした。試行錯誤の末に、染色作家の高橋陽子さんらにより地熱染色の基本的な技法を確立され、染色技法を進化させてきました。八幡平の『地熱染め』の大きな特徴は、高温の地熱蒸気で染料を定着させるだけでなく、蒸気に含まれる硫化水素が一部の染料を脱色する作用を利用していることで、鮮やかで奥行きのあるグラデーションが生み出されています。八幡平の大自然やリンドウをはじめとした草花、秋の紅葉など、四季折々の変化を布に表現。そのやさしい色合いのファッションアイテムやバッグなどの小物を求めて、多くの観光客が訪れます。

八幡平地熱蒸気染め

地熱を活用し、農業分野でも新たな取り組みが進展しています。2017年より、松川地熱発電所から供給される熱水を利用した地域の農業用ハウスを活用し、これまで岩手県では出荷実績のないバジルを、AIやIoT技術を用いた「スマート農業」で栽培するという官民連携の取り組みがスタートしました。この熱水ハウスは、縦型の水耕栽培装置の両面を使うことで、地面での栽培に比べ圧倒的な収穫量を実現し、ハウス内の温度も熱水を通す管を空中に配すことで、真冬でも輻射熱の効果でバジル栽培の適温を保てるようにデータで管理されています。こうして生まれたバジルは品質もよく、首都圏に出荷されるとともにコンビニエンスストアのプライベートブランド商品にも採用され、年々需要が高まってきています。

熱水ハウス

JOGMECの主な支援

地熱との共生を次世代へつなぐ「地熱データブック」を制作

地熱や火山と共生する地域のくらし・文化・産業等を、次世代へと継承していくための取り組みを支援しています。
具体的には、令和2年度、3年度の2カ年で、次世代へ継承すべき内容を検討・選定し、資料・文献・映像等を取りまとめて「地熱データブック」を制作。さらに、効率的に説明・紹介するための手法の確立や、説明用の各種ツールの制作も計画しています。このデータブックは、市内の小中学生及び高校生の教育や市民の学習、また、観光客等来訪者向けの基礎資料として広く活用されます。データブックが欲しい方は八幡平市までお問い合わせください。

八幡平市地熱ヒストリー動画

八幡平市の地熱の歴史とこれからの可能性を紹介する動画です。
地熱を活用してきた八幡平市の魅力を伝える映像であり、市内で地熱を活用した取組みをされている方々へのインタビューや佐々木八幡平市長へのインタビューも含まれています。ぜひ八幡平市の持続可能な取組みを再発見してください。

八幡平市
東北自然エネルギー株式会社
松川地熱発電所
株式会社地熱染色研究所
(地熱染め)
ジオファーム八幡平
八幡平スマートファーム
安比地熱株式会社

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